名前 | バレンティン・バルコ(Valentín Barco) |
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生年月日 | 2004年7月23日 |
国籍/出身 | アルゼンチン(ベインティシンコ・デ・マジョ) |
身長 | 168cm |
ポジション | LSB |
所属 | ボカ・ジュニアーズ |
※ヴァレンティン・バルコとも表記されるだろう
16歳にしてプロデビューを飾ったボカの約束された逸材
プレー動画
経歴
■2004-2013年(幼年期~スポルティボAC)
今から2世紀以上前となる1810年5月25日、アルゼンチンが独立国家としての歩みを始めたのはご存知だろうか。そんなアルゼンチンの革命記念日(建国記念日)として知られる5月25日にちなんで名付けられたベインティシンコ・デ・マジョ(ブエノスアイレス州)、ここが今回の主人公であるバレンティン・バルコ(愛称:エル・コロ)の誕生地だ。ワルテル(父親)とパトリシア(母親)の息子として生まれた彼は、3歳の頃より地元のCAスポルティボにてキャリアを始めている。
CAスポルティボではストライカーとしてプレーしており、当時から優れた才能を持っていることが評価されると、2013年にはアルゼンチンを代表するボカ・ジュニアーズのセレクションにこぎつけていた。そこでカルロス・テベスやフェルナンド・レドンド、ファン・パブロ・ソリンを発掘し、彼の眼鏡に適えば確実にプロになれるというスカウト界の重鎮『ラモン・マドニ』に見出されたことで、セネイセス(ボカ・ジュニアーズの愛称)に入団している。わずか8歳の出来事であった。
Valentin Barco hoy debuta también. Categoría 2004. 16 años. De 25 de Mayo. Llego a Boca por Ramón Maddoni a fines de 2013. Zurdo. pic.twitter.com/pAtHvGQAOz
— Mago (@JulioPavoni) July 16, 2021
■2013-2021年(ボカ・ジュニアーズ)
ボカ・ジュニアーズに入団後、現在の左サイドバック(No.3)にコンバートされた彼だが、プレーとは別の問題が訪れていた。それが自宅からトレーニング施設までの距離であり、その距離は片道400kmと通常では考えられないような移動であったが、家族には金銭的な余裕がなかったため、父の愛車であるルノー・12に乗って週4回の練習に通う日々を過ごしていたという。これは彼が寄宿舎に入るまでの約3年間続いており、ガソリン代と高速料金を支払うだけでも精一杯であったことを、両親はその後のインタビューにて涙ながら語っている。この当時の経験は彼の人間性を大きく成長させる経験となっていた。
こうした環境でも彼は才能を伸ばし続けており、2019年4月にはクロアチアで開催されたU15トーナメント『ヴラトコ・マルコヴィッチ』を制覇。セプティマ・ディビシオン(U16)とボカ・ジュニアーズⅡ(リザーブ)を行き来していた2020年10月に、クラブとの最初のプロ契約に署名している。新たなシーズンに向けた2021年6月のプレシーズンキャンプではトップチームに帯同しており、そこで指揮官のミゲル・アンヘル・ルッソに高く評価されると、17歳の誕生日を直前に控えた2021年7月17日に、アルゼンチン・プリメーラ・ディビシオン(アルゼンチン1部)開幕節となるCAウニオン戦にてトップデビューを飾った。
2021年8月からは新たにセバスティアン・バタグリアが指揮官に就任したことで、左サイドバックのファーストチョイスをアグスティン・サンデス、フランク・ファブラと競争する状況に置かれており、彼自身はCOVID-19で陽性反応を示したことでやや遅れをとっている状況だ。しかし、それでも近い将来には彼がボカ・ジュニアーズの左サイドバックに君臨していることだろう。
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代表歴
2019年11月~12月に開催されたU15南米選手権ではアルゼンチンU15の主力として出場。同大会では全6試合に出場しており、決勝戦にてブラジルU15に敗れるも3得点の活躍で準優勝に大きく貢献した。現在はアルゼンチンU16のほか、アルゼンチンU17でのデビューも飾っている。
移籍の噂
ボカ・ジュニアーズとは最初のプロ契約に交わした2023年12月末までの契約が残されている。既に国外からはマンチェスター・シティの名前が挙がっているなど移籍の噂も報じられているところだ。とはいえ、18歳となる2022年夏までは残る見通しであるため時期尚早だろう。
プレースタイル
167cmと小柄な左サイドバックであるが、アルゼンチンらしさのあるボディバランスに優れたフィジカルを持っているため、意外にも物理的な接触にはある程度の適応を感じさせている。守備では小回りの効くアジリティを持ち、身体を張ったブロックで危険なシーンを阻止するなど献身的な働きを見せる。足下の技術にも優れており、隙あらばドリブルで深い位置まで侵入するほか、抜群のキープ力で簡単にはボールを失わない。また、プレースキッカーを任されるほどセンタリングの質が高く、自慢の左足から放たれるクロスやパスもまた一級品だ。かつてのストライカーの名残かのようなパンチ力のあるシュートも持ち合わせている。