名前 | スティペ・ビウク(Stipe Biuk) |
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生年月日 | 2002年12月26日 |
国籍/出身 | クロアチア(スプリト) |
身長 | 184cm |
ポジション | WG |
所属 | ハイドゥク・スプリト |
クロアチアリーグの終盤戦に突如現れたスプリトの超新星
プレー動画
経歴
■2002-2011年(幼年期~NKソリン)
ヴリカ出身の元警察官であった父ロバート・ビウクと母ダニエラ・ボドゥルジャクの第3子としてスプリトに生まれた彼は、2人の兄(フィリプ:1998年生とドゥイェ:2001年生)がクロアチア3部~4部でプレーするサッカー選手といった家庭環境にて育っていた。兄の影響でサッカーを始めるのは当然の選択であり、スプリトから北東8kmの都市ソリンを本拠地とするNKソリンが最初のクラブとなっている。ホームスタジアムのStadion pokraj Jadraは最大収容数が5000人にも満たないなど、2.HNL(クロアチア2部)に長らく留まっている小さなクラブであったが、近隣のクラブであるハイドゥク・スプリトとは良好な関係を築いていたという。
ハイドゥク・スプリトはNKソリンから好きな選手を望めば連れて行くことができるような環境にあり、2002年生まれのカテゴリを引き継いだアンテ・バシッチが最初に手に入れたいと思った選手こそ、当時8歳のスティペ・ビウクだったという。チルドレンズリーグで3~4試合のテストを行った後、ソリンのコーチであるダミール・ボバンに連絡を取り、彼の加入はものの5分でまとまったそうだ。
■2011-2021年(ハイドゥク・スプリト)
2011年1月より8歳でハイドゥク・スプリトの一員となった彼だが、加入から1年にも満たないある日、人生における最大の悲劇に見舞われている。2011年12月26日、スティペの9歳の誕生日を祝うために母ダニエラはキッチンでバースデーケーキを作っていた。息子の誕生日を祝う幸せな日として張り切っていたが、母ダニエラが予期せぬクモ膜下出血の症状で倒れると、2日後の12月28日にそのまま息を引き取ったのだ。
自身の誕生日に母が倒れるという9歳では処理できないような出来事は、彼のメンタルを危ういものとしており立ち直るには多くの時間を要したことだろう。そんな敏感な時期に彼の才能に気付いたのがティホ・トログリッチ氏であり、今にも壊れそうな彼の才能をマルコ・ロイスに重ねながらハイドゥク・スプリトのユースで指導している。父と兄の支えもあり徐々に母親の死から立ち直ると、ハイドゥク・スプリトU17として臨んだトーナメントでは、バイエルン・ミュンヘンのクロアチア担当スカウトであるブラニミール・シュトゥルカリの目に留まり、兄ドゥイェと7日間の招待をされていたという。レッドブル・ザルツブルクもオファーを提示するなどハイドゥク・スプリトから退団する可能性もあったが結果的に断っている。
2019/20シーズンにはハイドゥク・スプリトU19に昇格すると、COID-19の影響で中断するまでの15試合で7得点15アシストの活躍を残していた。2020/21シーズンの中盤からトップチームに帯同するようになると、2021年3月に行われた1.HNL(クロアチア1部)第26節のHNKシベニク戦でデビューを飾っている。その後はベンチを温めていたが、2021年4月末から一気に主戦力に定着すると、最終節までの6試合では3得点3アシストを記録したことで、超新星としてその名が知れ渡っている。
代表歴
2018年9月に15歳でクロアチアU17の試合に出場していた彼は、シーズン終盤の活躍が認められたことで、2021年6月より再開されるU21欧州選手権のノックアウトステージに臨むための23人に急遽招集を受けている。
移籍の噂
2021年1月、ハイドゥク・スプリトと最初のプロ契約となる2026年1月末までの長期契約を交わしているが、そのプロ契約以前には様々なクラブからのオファーを受けている。ホッフェンハイム、VfLヴォルフスブルク、ボルシア・メンヒェングラートバッハ、ガラタサライが名乗りを上げていたが、父の進言もありハイドゥク・スプリトで成長することを選択している。
そこからトップチームでの活躍が加わったことで新たなクラブが夏に向けて動き始めると、SLベンフィカは800万ユーロのオファーを提示したことが報じられている。しかし、ハイドゥク・スプリトは1000万ユーロ以上のオファーでしか応じない構えだ。今夏で新天地が決まる可能性も否めないが、もう1シーズンはハイドゥク・スプリトに期限付きで残ることだろう。
プレースタイル
右利きのウィンガーである彼は、4-3-3のレフトウィングとして主に起用されている。最大の武器は足に吸い付くようなボールタッチであり、細かく上体を揺さぶりながら間合いを外してのシュートやラストパスに結びつけることを得意パターンとしている。複数人を相手にも独自の間合いで臆せずに仕掛け、タイミングを外したプレーは彼の動きを読みづらくさせることだろう。シュートセンスも一級品だ。また、幼くして母を失ったことで同世代の選手と比べても精神面は成熟しており、謙虚な性格であるためユースではキャプテンを担っている。