パトリック・ドルグ

選手紹介
名前パトリック・ドルグ(Patrick Dorgu)
生年月日2004年10月26日
国籍/出身デンマーク/ナイジェリア
身長175cm
ポジションLSB
所属USレッチェ

瞬く間にイタリアに溶け込んだレッチェの新星

プレー動画

経歴

■2004-2022年(幼年期~ノアシェラン)

西アフリカのナイジェリアにルーツを持っている彼は、幼少期からデンマークにて育ってきた背景を持っている。兄弟もフットボーラーとして活動しており、兄のガブリエル(2002年生)はアマチュアカテゴリ、弟のイフェンナ(2006年生)はデンマーク2部のHBキューゲの下部組織でそれぞれ活動中だ。

過去の記事から逆算すると2016年(11~12歳)頃からデンマークで育成力に定評のある『FCノアシェラン』の下部組織に在籍。本拠地ファルムの公立学校である「スタウンスホルトスコーレン」では、生徒の才能を伸ばすことを第一とした教育方針にて学生生活を過ごしており、ノアシェランでの活動に合わせて柔軟に学業を調整できるなど、日常生活のストレスが軽減されることでスポーツとの両立ができたと彼は後に回想している。

ノアシェランでは2004年生まれのカテゴリである「FCNエリート04」として活動しており、国内外問わず多くのコンペティションで経験を積みながら2019/20シーズンにはU15へと昇格。最初の4試合で2得点と順調な滑り出しであったが、COVID-19の影響もあり活動は制限されるようなシーズンであった。それでも20/21シーズンをU17、21/22シーズンには16歳でU19にまで到達し、U19リーグでは中心選手として22試合3G2Aの成績を収めている。

■2022-2023年(レッチェ)

ノアシェランでも有数の逸材としてトップデビューも期待されていたが、2022年夏の移籍市場にて17歳での海外挑戦を決断。キャリアの新たな挑戦に向けた準備が整ったと語り、6年間におよぶノアシェランに感謝の言葉を残して選んだのがイタリアの『USレッチェ』であった。期限付きの加入形態にてフェデリコ・コッピテッリが率いるプリマヴェーラ(U19)に加入すると、プリマヴェーラ1(イタリアU19リーグ1部)の開幕から不動のレギュラーポジションを築き上げ、レギュラーシーズンは最終節を除いた全33試合でのフル出場を果たしている。

他クラブがイタリア人中心のスカッドであるのに対して、レッチェは様々な国からスカウティングした選手から構成される多国籍軍団であり、一部ではイタリア人選手が出場しないことで問題視される声(自国の若手が育たないという意見)も聞こえていたが、こうした逆境を跳ね除けるようにレギュラーシーズンを首位で終えることに成功。グラツィアーノ・ペッレらが成し遂げた2003/04シーズン以来の優勝を目指すべく挑んだファイナルでは、決勝戦にてフィオレンティーナを延長戦の末に下し、19年ぶりとなるプリマヴェーラのチャンピオンタイトルをもたらすなど、加入初年度からクラブ史に残る快挙を残すことに成功した。

これらの活躍により、期限付き移籍中という立場に狙いをつけたクラブから関心が集まると、代理人であるキングスレイ・オグボドからはバルセロナ(スペイン)とリヴァプール(イングランド)の名前を具体的に挙げるなど人気株であることを強調。それでも自身の成功を支えていたレッチェに完全移籍で加入しており、2023/24シーズンではロベルト・ダヴェルサが率いるトップチームに昇格した。2023年8月に行なわれたコッパ・イタリア1回戦のコモ1907戦でトップデビューを飾り、同試合では決勝点をアシストすることに成功。このまま1週間後に開幕したセリエA(イタリア1部)では開幕スタメンで出場するなど、本格的なブレイクの兆しを見せているところだ。

代表歴

ノアシェランのユース時代からデンマークU15~U16のナショナルトレーニングに参加していた実績を持っており、COVID-19の影響から明けた2022年6月よりデンマークU18にて世代別代表での本格的なキャリアが始動。2022年9月には17歳でデンマークU19でのデビューを飾り、U19EUROでも主力としてプレーした。2023年8月末にはデンマークU20にも招集されたほか、U21への招集も時間の問題とされているなど代表キャリアも順調に進んでいる。

移籍の噂

2023年夏にレッチェに完全移籍にて加入していることから、契約期間は2027年6月末までと残り4年の契約を残している。既に底知れぬポテンシャルを秘めたトップタレントの卵として認知されているため、2023/24シーズンを終える頃には名前を多く聞くことになることが予想される。彼自身のSNSではプレミアリーグを好んでいることが推察され、クラブでは所属以外ではチェルシー(イングランド)とレアル・マドリード(スペイン)をフォローしている。

プレースタイル

左サイドバックを主戦場としながら左サイドハーフでも起用できる幅を持つ彼は、攻守の両局面で貢献度の高い選手だ。175cmと上背はないものも現代的なアスリートとしてスピードとアジリティに優れた身体能力を持ち、非凡なテクニックからボールを前進させることで瞬間的な火力を見せているが、特筆すべきは18歳らしからぬ冷静沈着なプレーにあるだろう。同サイドの味方の動きに合わせて適切なポジショニングとサポートを行い、初のセリエAでも物怖じしない選択と適応力にて底知れぬポテンシャルを感じさせている。途中出場からでも違和感なくゲームに溶け込めるため、出場試合数を重ねるごとに彼がレギュラーポジションを奪取するのも時間の問題だ。

 

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