名前 | マリック・チャウ(Malick Thiaw) |
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生年月日 | 2001年8月8日 |
国籍/出身 | ドイツ/フィンランド(デュッセルドルフ) |
身長 | 191cm |
ポジション | CB |
所属 | シャルケ04 |
※Thiawはティアウとも表記される
ドイツ2部で大きく成長を遂げたシャルケの大器
プレー動画
経歴
■2001-2015年(幼年期~ボルシアMG)
ドイツ連邦共和国の西部に位置するデュッセルドルフに誕生した彼だが、父親のスレイマンはセネガル人、母親のマルヨ・クリスティーナはフィンランド人という家庭環境に育っていた。兄弟には姉のナフィと弟のセニーがおり、チャウ家にとっては第二子にあたるのがマリック・チャウとなっている。
幼少期は母親の故郷であるフィンランドのオウルにて育っており、今でも家ではフィンランド語で話しているという彼は、最初のクラブとしてデュッセルドルフのTVカルクム・ヴィットラアーに加入している。6歳から始まったキャリアでは、GKとしてプレーしていた父や陸上選手として10代は活躍していた母のDNAが色濃く受け継がれており、1年程度の期間であったがフォルトゥナ・デュッセルドルフとバイエル・レヴァークーゼンにも在籍していた。
10歳となる頃にボルシア・メンヒェングラートバッハの下部組織に加わると、2015年までを同クラブにてプレー。その後、毎年のようにU19カテゴリからプロ契約にてチャンスを掴む選手を輩出していたシャルケからのオファーが届くと、彼もまたその魅力的な実績やプランに心を掴まれるようにして移籍している。
■2015-2022年(シャルケ)
シャルケでは2017/18シーズンよりU17カテゴリに昇格しており、当時は主に守備的なミッドフィールダーとして活躍する選手であった。16歳で挑んだ同シーズンを23試合2得点2アシストの成績で終えると、翌2018/19シーズンはシャルケU19に舞台を移しており、ここでキャリアの分岐点となるノルベルト・エルゲルト氏との出会いが訪れている。
シャルケU19の指揮官であったエルゲルト氏は彼が中盤ではなくセンターバックがチームのため、そして彼自身のためになるとしてコンバートを実行。2018年9月15日を最後にセンターバックとしてのキャリアが始まり、急造的な始まりであったが国内のU19リーグだけでなくUEFAユースリーグの国際舞台でも守備を牽引するなど35試合に出場することで経験を積んでいた。
続く2019/20シーズンではエルゲルト氏と共にトレーニングを行ったヘディング技術の成果として思いもよらない得点力が開花。キャプテンマークも着用する機会も与えられながら、U19リーグでは6位の成績ながらも失点数はリーグ2位となる「15」失点で終える活躍を見せたほか、絶対的なエースがいなかったチームにおいてDFの彼が8得点でチーム内トップスコアラーとなる攻守の両方で存在感を示していた。
COVID-19の影響によってユースの活動が阻害されていたが、その影響が彼にとってはプラスに働いており、2020年3月のドイツ・ブンデスリーガ(ドイツ1部)第25節のTSGホッフェンハイム戦にてトップデビューを達成している。そのままトップチームに帯同し続けた彼は、結果的に4試合(72分)の出場機会を与えられている。
2020年7月にシャルケとのプロ契約を締結した彼は、2020/21シーズンよりトップチームに昇格することが決定。U19とのゲームスピードの差に苦しみながらも第6節のVfBシュトゥットガルト戦では初ゴールを奪っており、確かな戦力としてカウントされていた。しかし、シャルケはクラブ史の汚点となるような戦いが続いており、彼自身も手探り状態なチームにおいて出場試合数を重ねるも、結果的にリーグ戦では最下位に沈んだことで30年ぶりの2部リーグ降格を当事者として経験した。
クラブの降格に伴いマティヤ・ナスタシッチやオザン・カバクのCBがチームから去ると(カバクはローン)、彼が手薄になった守備陣を牽引するようにして3バックの1枚に定着。日本代表の板倉滉との強化な守備を築き上げながら、2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)の31試合に出場し、リーグ優勝と1年での1部リーグ復帰に大きく貢献している。この活躍からビッグクラブからの関心も報じられており、このままブンデスリーガでのリベンジに挑むかの選択に注目が集まっているところだ。
代表歴
彼のルーツから分かるように、ドイツとフィンランドの二重国籍を彼は保有している。2017年8月にはフィンランドU17に招集されていたが帯同までには至っておらず、そこからは当時にドイツのパスポートを保有していなかったことから世代別代表でのキャリアはどこの国でも進んでいなかった。
その後、彼のトップチームでの活躍から2021年3月にドイツU21に選出されると、同年9月にU21代表でのデビューを達成。現在もドイツU21で活動しているが、継続的にフィンランドやセネガルの各協会からのアプローチを受けているため、将来的な代表の選択は要注目だろう。ちなみに彼自身はそこまで焦っていないようだ。
移籍の噂
シャルケとは最初のプロ契約時に交わされた2024年6月末までの契約が有効となっている。継続的にリヴァプール(イングランド)が動向を追っているほか、ACミラン(イタリア)も彼を高く評価している状況にある。シャルケとしてはリーグ優勝に貢献した板倉滉を完全移籍にて買い取るための費用としてアミーヌ・アリとオザン・カバクの売却を考えているものの、一部では彼もまた売却候補になり得るとの見方が行われている。
その理由には途中でシャルケの指揮官に就任したマイク・ビュスケンスの存在があるとされ、シーズン終盤の出場機会の少なさから指揮官が彼よりも板倉滉を優先しているという考えで、天秤にかけるならば退団も容認するというものであった。
プレースタイル
191cm/80kgの屈強なフィジカルを持ったセンターバックであり、シャルケでは3バックの右で起用されることが多い。フィジカルの強さだけでなく速さも際立っており、広い守備範囲と危機察知能力で素早く攻撃の芽を積む働きは、2部リーグにおけるリーグトップのタックル成功数(60回)に表れるだけなく、それがクリーンに実行されているのも彼の大きな武器だろう。パスの技術も非凡なものを持っており、シャルケでは両利きと表記される(とはいえ利き足は右)など快適だ。
比較される対象としては若き日のジョエル・マティプであり、シャルケの下部組織出身や同じ誕生日という共通点から彼自身も光栄であると語るほか、ロールモデルであることも明かしている。中盤でプレーしていた際にはヤヤ・トゥーレ、現在はファン・ダイクやセルヒオ・ラモスから学びを得ているという。