アントニー・ルオー

選手紹介
名前 アントニー・ルオー(Anthony Rouault)
生年月日 2001年5月29日
国籍/出身 フランスサン=コロン=ド=ローザン)
身長 186cm
ポジション CB
所属 トゥールーズFC

1部昇格の立役者となった田舎育ちのパーフェクト・ディフェンダー

プレー動画

経歴

■2001-2016年(幼年期~マルマンド)

アントニー・ルオーが生まれ育ったのはフランス南西部のロット=エ=ガロンヌ県にある、500人程度が居住するとても小さな村『サン=コロン=ド=ローザン』であった。同地域は石灰岩によって形成されたデコボコとした地形で知られており、そこで小さなサッカーチームの経営に参加していた父ティエリー・ルオーの指導によってフットボーラーとしての道のりを歩み始めている。

そんなフランスの田舎村でボールを蹴っていた彼にとっては、プロサッカー選手という夢は遠い世界であり、他の少年らが努力を惜しまずにボールを蹴り続けるといったストイックなことはしておらず、当然のように自分もこの村で生活していくものだと思っていたそうだ。しかし、才能はときにして自分の意思ではコントロールできない物語を生む。

約9年間を父が指揮する『UFCサン=コロン=ド=ローザン』にてプレーしていたが、ロット=エ=ガロンヌ県を代表するクラブの一つである『FCマルマンド47』への入団に説得されたことが人生の転機であった。14歳でFCマルマンド47に入団した彼は、そこで指揮官のジャン=フランソワ・ラボーデットやアラン・デルペッシュから「アイメリク・ラポルト(ロット=エ=ガロンヌ県の出身)と同じような才能がある」と強く評価されると、そこからはわずかな期間でキャリアが急加速している。

サン=メダール=アン=ジャルとのU15カテゴリでの試合後に、とある手紙が届いていた。それが現在のトゥールーズFCからのトレーニング(U17カテゴリ)への招待であり、彼自身は周囲からの才能に対して自分の感情が追いついていない現状にあったが、トゥールーズのファンでもあった父の存在もあり参加することを決断。「トゥールーズじゃなければ参加していたかどうか分からない。」と語るなど、当時の心情が伝わるだろう。

こうしてチームに合流した彼だったが、トレーニングを経ずにいきなりジロンダン・ボルドーとの親善試合に出場。本当はやりたくなかったと思いながらプレーしていたことから、試合開始から5分後には自身のミスが原因となりゴールを献上、失敗から始まっていたがそこから負のスパイラルに陥ることがなかったことをU17の指揮官であるアントニー・バンカレルは評価していた。そして15歳の誕生日を迎えた2016年5月29日に電話が鳴り、トゥールーズFCへの入団が決定している。

■2016-2022年(トゥールーズ)

自宅からトゥールーズまでは2時間しか離れていないが、15歳という年齢に加えて初めての都会生活という環境には慣れるまでの時間を要することは明白であり、従兄弟のギヨーム・ルオーも警告していた。その警告通り、全寮制での生活や都会の喧騒感、学校がまだ始まっておらず友人もいない、そんな孤立した状況に耐えられるはずもなく1ヶ月後には「辞める。」という言葉を胸に故郷に戻ったのだ。

全てを捨てて田舎に帰る決断をした彼に対し、母親のコリーヌも含めた家族は息子の選択を受け入れていた。それでもトゥールーズのメンタルトレーナーであるジャン=フィリップ・デルペッシュとスカウトのティエリー・ファサーノの熱心なサポートによって退団を引き止められ、再び彼はトゥールーズで歩み始めることを決断した。

本格的にトゥールーズでのトレーニングが始まると、元々のセントラルミッドフィルダー(中盤)でのポジションから新たな適正ポジションとしてセンターバックの役割が付与。最初の1年間でじっくり育成された後、2017/18シーズンはトゥールーズU17に昇格を果たし、リーグ戦の開幕9試合での失点はわずか『2』という好スタートを切っていた。

2018/19シーズンはトゥールーズU19を中心に活躍しており、国内で最も権威のあるU19トーナメントのクープ・ガンバルデッラでは決勝にまで進出。バフォデ・ディアキテクアディオ・コネらと共に準優勝の成績を収め、2019年7月には最初のプロ契約にも署名している。

翌年はCOVID-19の影響で活動が制限されていたが、2020/21シーズンにはクラブが約17シーズンぶりのリーグ・ドゥ(フランス2部)への降格したこともあり、予算削減も相まってトップチームに昇格。2020年10月に行われた第7節のACアジャクシオ戦でデビューを飾ると、そこから5試合連続でフル出場を任せられるまでに起用を続けられたが、第13節のASナンシー戦での一発退場からは第3~4CBの位置まで戻り、初年度を18試合(1347分)の出場で終えている。

2年目となった2021/22シーズンでは第2節のASナンシー戦で初ゴールを記録するなど開幕から主力に定着。しかし、2021年9月末からの約3ヶ月は負傷離脱を強いられており、復帰を果たしたのは新たな年を迎えた頃であった。彼の離脱中でもトゥールーズはリーグ・アン(フランス1部)の復帰に向けて順調に推移しており、第21節のポーFC戦からは再びレギュラーポジションに返り咲き、そのままリーグ・ドゥでのリーグ優勝と昇格の立役者として最高の結果にてシーズンを締めた。リーグ・ドゥの年間最優秀イレブンにも選出されている。

代表歴

フランスの世代別代表での出場歴は持っていないが、センターバックの厚い選手層の前でも割って入る実力は備えているだろう。

移籍の噂

トゥールーズFCとは2024年6月末までの契約を残していることに加え、彼自身も初めてとなるリーグ・アンでのプレーが控えていることから移籍の可能性は低いものだと推察される。それでもボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)が高く評価していると伝えられているほか、クラブの会長であるダミアン・コモリは「ベストプレーヤーと言われる選手を売却しながら、より良いチームを作り上げた。」と選手の移籍について問われた際に発言していることから、残留が確実なものとは言えないだろう。

プレースタイル

右利きのセンターバックであり、3バックと4バックの両方でプレー可能な経験を積んでいる。トゥールーズの加入以前には中盤を本職としていたことでパス能力に長けており、不安のない足元の技術に加えて最終ラインから攻撃の起点となる精度の高い長短のパスを繰り出すのは大きな武器だ。

また、センターバックに求められる対人戦の強さについても、186cmの標準的な体格に危機察知能力と冷静沈着な判断で地上・空中ともに一定の強さを誇っている。リーグ・ドゥでは屈指の実力者であることを証明しているため、より高レベルの環境での実力が試されるところだ。

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