名前 | マテウシュ・ムシアロフスキ(Mateusz Musialowski) |
---|---|
生年月日 | 2003年10月16日 |
国籍/出身 | ポーランド(カトヴィツェ) |
身長 | 172cm |
ポジション | WG/SS |
所属 | リヴァプールFC |
※マテウス・ムジアロウスキーとも表記されている
高い攻撃性能を持ったリヴァプールに控える宝石
プレー動画
経歴
■2003-2020年(幼年期~SMSウッチ)
ポーランド南部に位置する工業都市カトヴィツェ。多くの教育機関も所在するこの街にてマテウス・ムジアロウスキーは誕生したとされている。2人の兄妹を含めた5人家族にて育っていた彼は、5歳(2008年)の頃よりカトヴィツェから約70kmほど離れたチェンストホヴァのUKSアヤクス・チェンストホヴァにてキャリアを始めていた。彼が加入したタイミングでクラブには人工芝付きの新しいピッチが整備されており、そんな環境にて最初のコーチであるアレクサンデル・ブルダカラ氏の下で初期キャリアを過ごしていたという。
アヤクスはチームの結果を重視するのではなく、臆せずに自信を持ってプレーするといった個人の成長にフォーカスしたクラブであったため、彼にパスを要求したことがなかったとブルダカラ氏が語るように伸び伸びとプレーできる環境にて彼の才能は育まれていた。最初のトレーニングから他の子どもたちと異なる才能を持っていることを確信した両親は、FCバルセロナがポーランドの首都ワルシャワに構えるバルサ・アカデミーにも通わせていたが、1日で4時間の往復移動はかなりの苦労を強いられたことで長続きはしていない。
9歳(2012年)までアヤクスで過ごした後、チェンストホヴァを代表するクラブであるラクフ・チェンストホヴァに移行しており、そこではトマーシュ・ソブチャク氏によって指導されながら才能に磨きをかけていた。彼が所属していた時期のラクフは世代最強と謳われるような無類の強さを見せており、一時は16連勝という記録も残しながらポーランド国内のトーナメントでも優勝を勝ち取るなど、様々なトーナメントでMVPや得点王のタイトルを手にしていた彼がビッグクラブから関心を集めたのは当然の流れだったという。
最初はポーランド国内を代表するレギア・ワルシャワのキャンプにも参加していたが、両親はワルシャワへの引っ越しには納得していない考えを持っていたため、より移動が容易であるSMSウッチを新天地として選択。ウッチでもポーランドの世代別代表にも選出されるほどの活躍を見せていたことはポジティブな話題であったが、クラブと両親の間には彼の方針を巡っての対立があったという。そのため1年間はチームに登録されずに1人でトレーニングをしている期間があり、こうした問題から彼がポーランドで長くプレーできないことは明らかであったようだ。
■2020-2021年(リヴァプールFC)
EU加盟国内に住んでいる子どもは16歳でEU内の移籍が解禁されることもあり、その時期に合わせて彼の姿はイギリスにあった。当初はアーセナルFCのトライアルに複数回参加していたこともあり、アーセナルへの移籍が近い状況にあったが、クラブのアカデミー関係者が流動的な状態にあったことで契約が思うように進まず、そこにリヴァプールFCが急遽介入し2020年夏に契約が成立。親元を離れて1人、マージーサイドのホストファミリーとの生活が始まっている。
リヴァプールでの1年目はマーク・ブリッジ・ウィルキンソンが率いるU18チームに登録されるも、シーズン開幕後の約2ヶ月は初めての海外生活に慣れていないこともあって出遅れていた。それでも2020年11月のリーズU18戦で初得点を記録してからは本来の才能を発揮しており、ニューカッスルU18戦で見せた5人抜きでの得点はSNS上で大きな話題を呼びながら、FAユースカップ(U18カップ)の準優勝にも貢献するなどU18カテゴリで25試合12得点3アシストという成績を残している。
2021/22シーズンはプレーカテゴリをリヴァプールU23に引き上げながら、UEFAユースリーグ(U19トーナメント)にも出場するなどトップデビューに向けてアピールを続けているところだ。
代表歴
13歳でポーランドU14でプレーしていた彼は、その後も14歳でポーランドU15とU16、15歳でポーランドU17でそれぞれデビューを果たすなど飛び級にて世代別代表に出場していた。ただ、COVID-19の影響とリヴァプールへの加入後はクラブの活動に専念している様子だ。ちなみに2016年当時にポーランドU14で彼の姿を見たズビグニエフ・ボニエク氏(ポーランドのレジェンドでポーランドサッカー協会代表)は自身のTwitterにて「この名前を覚えておくように」と才能を称賛している。
Mateusz Musiałowski – zapamiętajcie to nazwisko. Dużo pracy do zrobienia ,ale jest z piłką na ty #PolLitU14
— Zbigniew Boniek (@BoniekZibi) September 24, 2016
移籍の噂
基本的にはリヴァプールでのトップチーム定着を目指すことが当面の目標であるため退団の線は低い。2021年7月には最初のプロ契約を締結するなど順調な進捗を見せ、ユルゲン・クロップからも卓越したスキルが認知されている。そんな彼がリヴァプール以外にフォローをしているのはFCバルセロナ、PSGということもあるため、その2クラブについては憧れは持っているのだろう。彼の代理人は多くのトップタレントを有するステラー・グループが務めている。
View this post on Instagram
プレースタイル
ウィング、トップ下(No.10)、セカンドストライカーといった中央とワイドの両方での適応が可能であり、最大の武器はその卓越したボールタッチによるドリブル性能だ。細かく俊敏性を活かしたタッチにて複数人を相手にも奪われることのないスキルを見せると、その流れで自身の得意の間合いに持ち込み左右両方の足でフィニッシュまで到達する姿は天才肌な才能を感じるだろう。彼が最も輝けるのは前を向いたプレー時であるため、ポジショニングを下げざるを得ない展開では我慢の時間も必要だ。上記の内容も含めた類似性から「ポーランドのメッシ」「ポーランドのアザール」とも称されている。