名前 | ガブリエウ・ピラーニ(Gabriel Pirani) |
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生年月日 | 2002年4月12日 |
国籍/出身 | ブラジル(ペナポリス) |
身長 | 170cm |
ポジション | AMF |
所属 | サントスFC |
※ガブリエル・ピラニとも表記される
黄金世代に遅れて登場したサントスの新たなゴールデンボーイ
プレー動画
経歴
■2002-2012年(幼年期)
ブラジル・サンパウロ州の中規模都市であるペナポリスに生まれた彼は、経済的に裕福な家庭ではなかったことから、父親がコンゴに4年間の出稼ぎに行くといった環境にて育っていた。ペナポリスの地方自治体が運営しているスクールにてサッカーを始めると、同スクールのコーチであったアデミール・レイテ氏によって才能を見出され、2歳上のカテゴリでプレーしながら地域大会で優勝と得点王、MVPのタイトルを手にしていたという。
この才能を伸ばすためにサンパウロFCのテストを受けることにした彼は、7~9歳の時点で複数回のテストに合格しており、10歳となった頃に3次テストを終えたところで現在のサントスFCからの誘いも届いていた。そのため、サンパウロFCとサントスFCのどちらかを選択するよう求められると、当時、サンパウロFCが不参加であったU11トーナメントに出場していたサントスFCを自身の成長の場として選んでいる。
■2012-2021年(サントスFC)
故郷のペナポリスからサントスまでは約550kmの距離が離れており、両親は息子がプロへの道を歩むための環境を構築すべく、サントスに新たなアパートを借りてそこに祖父母を招き息子を預けることを選択していた。祖父のダーシー・ピラーニは教育者として孫を指導し、母と兄レオナルドは弟の試合が行われる毎週末にサントスまで訪れるといったサポートを行っていたという。こうした家族の支えを受けながら2013年にはカンピオナート・パウリスタU11で10番を着用しながら優勝に貢献するといった活躍を見せている。
2018年夏にサントスFCとのプロ契約を締結し、2019シーズンにはサントスU17で26試合11得点を記録。2020シーズンでは18歳ながらサントスU19~U23にまでに活動範囲を広げており、COVID-19の影響もあったが21試合で5得点の成績を残している。2021年2月にはカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル1部)最終節となるECバイーア戦にてトップデビューを飾り、3月にはデポルティボ・ララ(ベネズエラ)との試合にてコパ・リベルタドーレスの舞台も経験した。
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そこからはコパ・リベルタドーレス、コパ・ド・ブラジル、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA、カンピオナート・パウリスタ(サンパウロ州選手権)、コパ・スダメリカーナという5つのコンペティションを立て続けにプレーしており、1年目ながら出場試合数が50試合に到達するなど凄まじいスピードで経験を積んでいるところだ。
代表歴
彼はガブリエウ・ベロンやジョルジ・カイオ、タレス・マグノを筆頭選手として挙げることのできる2002年世代においては仲間入りをしておらず、ブラジルの世代別代表でのプレー歴を持っていない。COVID-19の影響によるコンペティション中止の影響も大きいだろう。
移籍の噂
サントスFCとは新たに2025年12月末までの契約延長を行っており、延長前にはMLS(アメリカ1部)に所属するバンクーバー・ホワイトキャップスからのオファーが届くもサントスへの愛を証明している。現在はシャフタール・ドネツィクからの関心も伝えられており、既に国際移籍が可能となる18歳の年齢に達していることからも市場の注目株となるだろう。
プレースタイル
攻撃的ミッドフィールダーを主戦場とし、左右のウィンガーとしても適正を持つ選手。170cmと上背はなくフィジカルコンタクトに難を抱える部分がピックアップされがちだが、それ以上に彼の持っているスキルは他とは一線を画するだろう。
周囲を把握する能力に長けているからか、彼のプレーには一切の迷いを感じさせず、ファーストタッチで前を向ける技術や確実性を問わない積極的なミドルシュートなど自身の感性を思うがままに表現する。また、非凡なパスセンスや一瞬の駆け引き/加速にて置き去りにするドリブルもまた彼の武器だ。
ストーリーにもあるように彼は経済的に裕福ではない家庭にて育っていることもあり、両親からは必要最低限のものだけで生活をするよう教え込まれていた。その教えを守るかのように、彼は給与の一部を小遣い程度にポケットに入れ、残りは両親に預けているという。こうした誠実さや勤勉性もまた彼を評価できる要素だと言える。