名前 | ルカ・トパロヴィッチ(Luka Topalovic) |
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生年月日 | 2006年2月23日 |
国籍/出身 | スロベニア(スロベニ・グラデツ) |
身長 | 187cm |
ポジション | AMF |
所属 | NKドムジャレ |
天性のセンスを感じさせるドムジャレの宝石
プレー動画
経歴
■2006-2020年(幼年期~ビストリツァ)
スロベニア北部のスロベニ・グラデツに生まれている彼だが、父スティペと母イヴカは現スルプスカ共和国(ボスニア・ヘルツェゴビナにおける構成体1つ)のザブジェが出身地であるため、家族のルーツはスロベニア以外の場所にある。歴史を辿るとおそらく1990年代に勃発したボスニア紛争の影響からスロベニアに移住してきたと考えられ、紛争前のザブジェにおける人口構成比はクロアチア人が98%を占めるなど、血筋としてはクロアチア人であることが推察される。
幼年期をスロベニ・グラデツから車で20分程度の場所に位置するプレヴァリエにて育ち、4歳で地域のクラブである『NKコロタン・プレヴァリエ』にてキャリアをスタート。テレビで活躍するリオネル・メッシをモチベーションにボールを蹴り続けながら、8歳の頃にはプトゥイで行われたバルサアカデミーキャンプにてスロベニア全土から集められた90人の中からカンプ・ノウに行く権利を手にしており、10日間に渡るバルセロナでの滞在ではハットトリックも達成するなど貴重な体験をしている。
出典:kotorvaroskadolina.com
2016/17シーズンには当時10歳ながらコロタン・プレヴァリエのU13部門でプレーするようになっており、シーズンを通して46得点を決めながら得点王に輝く活躍を残していたことで名門『NKマリボル』に移籍。より才能が集結するマリボルでも飛び抜けた存在感を放っており、2019年夏にはクリスティアーノ・ロナウドの名前を冠したマデイラ島でのトーナメントで17得点を記録しながら大会得点王にも輝いていた。ただし、そんなマリボルには数年間のみの在籍で退団しながら2019/20シーズンをスロベンスカ・ビストリツァを本拠地とする『NKビストリツァ』にて過ごすと、初年度からU15リーグでは13試合で6得点を記録している。
■2020-2024年(ドムジャレ)
NKビストリツァに加入した1年後には首都リュブリャナの近くに位置するドムジャレの古豪『NKドムジャレ』を自身の新天地として選択。ドムジャレを選んだ理由としては若い選手と密接な連携を築いていることを挙げており、彼が加入したシーズンからはより顕著にユースからの積極的な起用が目立つなど、若い才能が成長するにはうってつけの環境であった。ドムジャレでの初年度はU15に組み込まれながら10試合で4得点を奪い、2021年5月には15歳で1SKL(U17リーグ)でのデビューも飾っている。
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2021/22シーズンにはU17に昇格しながら1SKLでは24試合14得点とチームを牽引すると、2022年5月に行われたNKツェリェ戦ではこの試合を最後に現役を退く主将セニヤド・イブリチッチに代わってプルヴァ・リーガ(スロベニア1部)デビューを飾り、16歳の彼にドムジャレの新たな未来を託すような世代交代を感じさせるドラマチックな出来事であった。続く2022/23シーズンもまたU17で開幕を迎えるも開幕4試合で9得点と圧巻の違いを見せつけており、ユースカテゴリに収まる器でないことを証明しながらシーズン終盤にはTOPチームでの出場機会を増やしていた。
2023年5月のNDゴリツァ戦では前半32分にセットプレーからのフリックに対して抑えの効いたシュートで初ゴールを記録し、ドムジャレの2000年代以降におけるクラブ史上最年少得点記録を樹立。勢いそのままに臨んだ2023/24シーズンは17歳ながら開幕からスタメンに名を連ね、そのままレギュラーポジションを確立しながらチームを牽引しており、リーグは6位の成績で終えるも彼自身は35試合2得点4アシストとトップカテゴリでの経験を蓄積している。
代表歴
両親の出身の関係からボスニア・ヘルツェゴビナとクロアチアも選択することが可能と伝えられている彼だが、世代別代表では一貫して生まれ育ったスロベニアを選択。2021年11月にスロベニアU16でのデビューを飾り、2022年から23年にかけてはU17欧州選手権の予選突破に貢献しながら本大会では3試合で2得点1アシストとグループステージ敗退ながら好印象を残している。
現在はスロベニアU19でプレーしながらもフル代表の選択には注目が集まっており、大筋ではスロベニアを選択すると思われるも残り2つの国を選択する理由はあると考えられる。クロアチアは過去にディナモ・ザグレブのユニフォームを着用している姿も確認できる点で家族全体もファンであること、ボスニア・ヘルツェゴビナは彼が尊敬するセニヤド・イブリチッチが同じコトル・ヴァロシュの出身であることが挙げられるだろう。
移籍の噂
ドムジャレとは2026年5月末までの契約を残しているが、既に2024年夏の移籍市場においてインテルへの加入が近づいており、具体的な交渉も大詰めとなっている(彼もInstagramでインテルをフォローしているため移籍は確実だろう)。加入後の選択肢としてはプリマヴェーラ(U19)に組み込まれるからセリエB(イタリア2部)でのレンタルが想定されており、個人的はスロベニア1部で出場を続けていただけにプロカテゴリでプレーすべきと考える。過去のインタビューでは将来的にイングランド・プレミアリーグでプレーすることも夢見ているという。
プレースタイル
187cmの体躯を誇る長身のプレイメーカーである彼は、トップ下やセンターハーフを主戦場に優雅にボールを操りながら攻撃にアクセントを加えることを得意としており、絶対的な信頼を寄せる天性の右足で決定機を演出するパスセンスが特徴的だ。シャペウやダブルタッチを多用しながら密集したエリアで上手く立ち回り、反転に成功した後には高い空間認識能力にて味方の動き出しを見逃さずにパスを供給するなど創造性に富んだプレーで沸かせている。
大型ながら機敏で足元のスキルを持つ彼は、同じくスロベニア人で190cmの体躯を持つヨシップ・イリチッチや元セルビア代表のデヤン・スタンコヴィッチに重ねる声も聞こえるなどスケールの大きさを示している。スロベニア1部で通用することを証明したことで次のステージに進む準備は出来ているため、初の海外挑戦でどこまで才能を伸ばせるのかに注目だ。
小ネタ
ロールモデルとしているのはセニヤド・イブリチッチとリオネル・メッシ。